「市場価値の高いスキル」「柔軟な働き方」を求めて転職。
ICCに入社するまでのキャリアを教えてください。
新卒からおよそ7年間、公的機関で経済や金融にまつわる調査業務などを行ってきました。全国の経済動向の把握や、金融機関の収益やリスクの調査が主なミッションです。それから、Fintech関連の政策立案業務にも携わりました。
そうして働くなかで産休に入ることになったのですが、それは今後のキャリアプランについても深く考えるきっかけになりました。正直に言って、前職の方が世間一般的な知名度は高いのかもしれません。私も新卒の時には、自分が何をやりたいのかよくわからず、知名度や世間体も就職活動のポイントの1つになっていたような気がします。しかし、母親となるタイミングで改めてキャリアを見つめ直したときに、人からどう見られるかではなく「自分軸」で仕事をしたいと思うようになり、転職を考えました。
子どもを預けてまで働くのであれば、「自分が興味のあること」をやりたい。これが転職を考えた1つ目の理由です。Fintechの政策立案業務に携わった経験から、変化が激しく、新たなサービスが続々と生み出される現在のFintechを取り巻く環境におもしろさを感じていました。自分は、伝統や慣例を重んじるより、未来に向けて挑戦することに惹かれるのだと認識しました。
2つ目の理由は、「市場価値の高いスキル」を身につけたいと考えたことです。というのも、今後は子どもや夫の状況次第で自分の働く環境を変える必要が出てくるかもしれません。そうしたときに、1つの組織の中で重視されるスキルではなく、市場で評価されるスキルが重要だと感じていました。
産休から復帰するタイミングで公的機関→ICCを選んだ理由は?
そうした転職の動機を踏まえて、私の会社選びの基準は大きく2つありました。まずは、今後発展していく分野で専門性と汎用性の高いスキルが身につく環境であること。次に、子育てと両立するためにフレキシブルな働き方が叶い、柔軟なカルチャーがあることです。
Fintechは成長分野であり、ICCはFintech領域において高い専門性を持つ組織であると感じました。また、グループ代表の丸山とは前職で面識があり、インフキュリオンの業界での評判やプレゼンスの大きさを肌で感じていたことも大きなポイントとなりました。
働き方の観点でも、面接を通じて、テレワークや裁量労働制などにより、柔軟な働き方が可能であると感じました。ICCの社風も私の会社選びの基準とマッチしていて、採用面接では面接官たちとの会話を通じてあたたかな企業文化と、それでいて挑戦を良しとする未来志向のカルチャーを実感し、コンサルティング業界はまったくの未経験でしたが、ここでチャレンジすることに決めました。
大きな裁量で、未来に向けて取り組む。
今はどんなお仕事を担当していますか?
入社からおよそ8ヶ月が経った現在は、3つ目のプロジェクトにアサインされています。
大手通信インフラ会社をクライアントに、新規ビジネス検討にあたり必要となる業界動向などのインプット資料を定期供給するプロジェクトです。
私たちのもとには金融関係以外の事業会社も含めて、非常に多くのクライアントから依頼がやってきます。その多くは最新の業界動向を敏感にキャッチしてビジネス化につなげる私たちの動きに期待するもの。決済・融資・保険などの金融ジャンルに関する最新情報から、ペイロール地域通貨といった話題のキーワードに関する情報など、専門的なインプットとクライアントに合わせた解釈が求められます。
今のプロジェクトは、プロジェクトオーナー、マネジャー、私の3名で動いていて、私はマネジャーのレビューを受けながら、情報収集、ストーリーの立案、資料作成までを担当しています。
どんなところに前職との違いやICCの特徴を感じていますか?
2つのポイントで違いを感じています。
まずは「緻密さ・スピード」という点。前職では、時間をかけてでもとにかく間違いがないことを重視されていましたが、ICCでは緻密さとともにスピードも重視されます。アジャイルで素早くアウトプットしてスピーディーに修正していくという感覚で、このスピード感にはいまだに戸惑うこともあるほどです(笑)。
2つ目は、「ミクロ・マクロ」というポイントです。前職ではマクロ的に物事を捉えて、国としてどうあるべきかを考えることがベースでした。今は、マクロ的な動向を踏まえて、個別の企業やユーザーにとって望ましいことを考えるというミクロの視点も必要になります。
仕事の進め方も考え方も異なりますが、だからこそ両方の視点が重要だと感じます。これらをバランスよく融合させることができれば、私なりの強みや価値を発揮できるのではと考えているところです。
ICCはコンサルティングを生業としていますが、大きくまとめれば「決済・金融領域において新たな未来をつくる」ことがミッション。民間の立場で、新しい社会の仕組みをつくるようなポジションにあると感じています。
ICCならではの仕事のおもしろさはどんなところにあるでしょう?
与えられる「裁量の大きさ」が魅力の一つです。どんなプロジェクトにも共通しているのが、「こうしてね」と指示されるのではなく、「ゴールはここだから、そこまでのルートと進み方を自分で考えてやってみてね、もちろん相談には応じるよ」というスタイル。求めれば必要なサポートや知識の提供はしてくれるものの、能動的に動かなければ何も始まらないとも言えます。このような仕事の進め方をポジティブに捉えられる方ならば、きっと仕事を楽しめるでしょう。
次に、「新しさ」も大きなポイントです。決済の分野には、日々新たな動きや技術が生まれています。常に未来の世の中に思いを馳せながら仕事ができるのは、やはり楽しいですよ。
そして、「影響の大きさ」も外せないところですね。クライアントは大手企業が多いので、社会的なインパクトの大きい案件に携わることも可能です。
「主体性」でつくり出す、子育て中の働き方。
子育て真っ最中の杉浦さんですが、どんな働き方をしているのか教えてください。
リモートワーク&裁量労働制で働いています。他メンバーに合わせ、9:30~18:30の勤務を基本としていますが、子どもが体調を崩すなど急な出来事があれば適宜働く時間を変えています。例えば、朝から子どもを病院へ連れて行って11:00頃仕事を開始する日もあれば、保育園から体調不良によるお迎え要請が来て15:00に一旦仕事を切り上げて子育てタイムを終えた22:00から寝る前までまた仕事をする、という日もあります。裁量労働制なので、1日の労働時間が8時間未満でも問題ない点にも救われていますね。私は労働時間の振れ幅が大きくて、3時間しか働かない日もあれば長く働く日もあったりと、プロジェクトと子育ての状況に応じて変わります。
自分の責任で最適な働き方を決められる環境がICCにはあります。逆に言えば、会社が用意している制度面はそこまで完成されているわけではありません。会社とコミュニケーションを取りながらお互いにとってベストな働き方を主体的につくっていく、というイメージでしょうか。
ありがたいことに周囲のメンバーも理解のある人が多くて、急なお休みの連絡を入れても嫌な感じになりません。「ご家庭優先で!」と言ってもらえたり、連絡自体もslackでパッとできるので助かっています。
プライベートと仕事を両立させるために意識していることは?
「段取りを意識して仕事に取り組んでいます。まず目的を定めたら、いつまでに何をするべきかを明確にして、やることを整理します。こうした仕事の進め方には前職の経験も生きていると思いますが、子どもが生まれたことも影響しているかもしれません。なぜなら、子育てには予測できない突発的なことが次々と起こるので、以前にも増して「できるときにやってしまおう」と考える癖がついたからです。
また、「優先順位」をつけることも大切です。子育てと仕事を優先させたいので、家事は便利家電やアウトソースサービスを活用してうまく負担を軽減しています。子どもと過ごす時間は仕事のことを頭から離してメリハリをつけたり、プロジェクトが佳境を迎えたときには子どもを預けて仕事に集中するなど、その時々で優先度を変えることも必要です。
そして、こうした働き方を支えてくれる家族や会社のメンバーとの「コミュニケーション」がとても重要。家族に対しては、仕事が忙しくなりそうな時期をあらかじめ伝えておき、その時の子育てをお願いしています。逆に家族の仕事が忙しくなるという情報が入ったら、すぐに会社のメンターやプロジェクトチームに相談します。前もってその時期の業務負荷を調整するなど、対応を一緒に考えてもらっています。
柔軟な働き方ができる一方で、評価の在り方が気になります。どのように評価されるのでしょう?
ICCの評価に対するスタンスはとてもフラットだと感じています。男女関係なく、それぞれのライフスタイルに配慮はしてもらえますが、子育て中などの制限があるという理由だけで仕事に遠慮はされません。
そんなカルチャーなので、評価はあくまでもアウトプットやパフォーマンスに対してのみ行われます。私の例で言うならば、子どもの体調不良で仕事を休んだからといってそれがマイナス評価には直結しません。それを補うパフォーマンスが発揮できていれば問題がないと考えられるからです。このように制約に対してではなく、純粋にその人のパフォーマンスが会社から期待されるレベルだったかどうかで評価されるシンプルな仕組みです。「子育てのせいで評価されない」ということがないので、メンタル的にとてもヘルシーに働けると感じています。
コンサルタントとして、母として、成長を続けていく。
コンサルタント未経験で入社されて、どのようにスキルを身につけてきましたか?
実は私が入社した当時、コンサルタントとしての体系的な研修はありませんでした。基本的なコンサルテーションの考え方やパワーポイントの使い方もよく知らなかった私は、自分で調べたり積極的に周囲の人の力を借りるなどしてキャッチアップしていきました。
でも、やはり基礎的な部分はスタート時点で研修を受けた方が効率的だと思い、会社に意見を伝えたことがあります。それから半年も経たないうちに社内研修の制度ができたり、オンライン学習サービスも導入されました。私の提言だけで動いたわけではないと思いますが、想像以上に素早い変化にICCらしさを感じましたね。
経営陣も当社の制度面はまだ発展途上と捉えているからこそ、社員の意見を積極的に取り入れて改善しようというカルチャーがあります。
これからどんな仕事にチャレンジして、どんなキャリアを目指していきたいですか?
こんな案件を手がけたいとか、こんなポジションを目指したいとか、そういった具体的な希望は実は持っていません。私が強く求めているのは、いつでも自分で自由に挑戦できるだけのスキルを身につけること。ICCに入社した動機に戻りますが、市場価値の高いスキルを持っていれば、どんな状況でも、より自分らしい働き方を追求できると思うのです。
それ以外では、コンサルタントとしても、子どもを持つ母の視点でも、やはり新しいことに挑戦していきたい想いはあります。子どもが生きる未来が、今よりもっと便利でおもしろくなったらうれしい。そのためにも成長を続けていきたいです。