本質的な課題解決力を身につけるために、多様な経験を求めた。
大手カード会社からの転職を考えた理由を教えてください。
私が大学を卒業する頃は、ちょうどキャッシュレス決済が浸透してきた時期で、Fintechの潮流を実感していました。そこで大手カード会社に入社し、法人カードの営業などを担当して3年程経験を積みました。前職の環境に大きな不満はありませんでしたが、ふと30歳になった自分を想像して、漠然とした不安が芽生えました。前職では、どうしても自社プロダクトありきの提案になりがちで、本質的な課題を見極め「あるべき姿」を自ら描いて提案する経験が乏しいと感じたのです。いわゆるプロダクトアウトではなく、マーケットインの思考で課題解決する力をつけるべきで、このままでは将来の選択肢が狭まるのではないか。そんな危機感から、キャリアを見直すことを決意しました。
事業会社ではなくコンサル業界、その中でもICCを選んだ決め手はなんですか?
転職するといっても決済業界から離れるつもりはなく、「決済×コンサル」をキーワードに検討を始めました。コンサルであれば、課題起点で解決策を考えて意思決定をサポートする経験をたくさん積めると考えたからです。
ICCは決済領域のコンサルとして、その専門性を明確に打ち出している稀有な存在でした。さらに、ICCは特定の業界に縛られず、多様な業界の本質的課題に向き合える点も魅力的でした。そのため他社との比較はせず、「前職に残るかICCに進むか」という2択で悩みました。様々な観点で比較しましたが、最終的には、30歳になった自分が今の自分に対してどうアドバイスするかを想像し、ICCを選びました。実際に私は今ちょうど30歳を迎えましたが、やはり当時の自分には転職することを勧めたいと思います。
クライアントのすぐ隣で、ともに描いたゴールへ進み続ける。
ICC入社後はどのようなプロジェクトに携わってきましたか?
これまでに3つのプロジェクトに携わってきました。1つ目は、カード会社に対するブランドライセンスの取得支援。2つ目が小売事業者の金融事業立ち上げ支援。そして現在も継続している3つ目のプロジェクトが、交通事業者の新規決済サービス立ち上げ支援です。いずれも決済を起点にした事業戦略の策定から、サービス性検討、UI/UX設計、業務構築、法令対応まで幅広く携わっています。中にはゼロからサービスのコンセプトを設計し、ローンチまで並走する案件もありました。
現在は3つ目のプロジェクトの延長線上で、ローンチしたサービスのさらなる充足や業務の安定化に取り組んでいます。
成長のターニングポイントになった仕事は?
入社してから2つ目にあたるプロジェクトは、私にとってコンサルの仕事で生きていくためのコアを身につけるターニングポイントとなりました。当時は小売業のクライアントの新サービス立ち上げにおいて、上司とともにクライアント先に1年半ほど常駐しながらPMOの役割を担っていました。クライアントのオフィスに常にいるわけなので、いつどんな質問を受けるかは予測が難しく、そこに対応する瞬発力や、クライアントから求められていることと自分の思考のギャップに、初めは苦労しましたね。事業会社では、持っている知識やソリューションを積み上げて答えを出していましたが、コンサルはそれだけでは不十分で、「あるべき姿」から逆算して、それを実現するために客観性と専門性を持って答えを出さなければなりません。そのことに気づいて努力を重ねるうちに、クライアントから信頼を得られるようになっていったように感じます。
前職の経験はどのように活かされていますか?
決済業界に身を置いていた経験があるので、決済の仕組みや専門用語への理解が早く、クライアントとの共通認識も築きやすかったと感じます。また、大企業における意思決定プロセスや組織構造の肌感覚を持っていることは、ICCのクライアントである大手企業と向き合う上でも役立ちました。前職での経験が、コンサルタントとしての土台を支えてくれていると感じます。
社会の根幹を担う「決済」の仕組みを、自分たちの手で進化させていく。
ICCの仕事の面白さをどんなところに感じていますか?
決済というニッチでありながら社会の根幹を支える領域において、その“裏側”にある仕組みを構築していけることに、大きな面白さを感じています。かつては現金や手形、掛払い等で行われていた「お金を払う」という行為が、今やタッチ決済やモバイルウォレットへと進化しつつあります。その進化を支える仕組み――たとえば精算プロセスや法令対応、UI/UX設計、業務設計などを、構想段階からクライアントと共に創り上げていくのが私たちの仕事です。
さらに、ICCでは新しい決済のかたちをゼロからつくるプロジェクトも多く、前例のない領域に挑戦する機会があります。そうしたなかで、決済を切り口に生活やビジネスの“当たり前”をより便利に、スマートに変えていく。それは単なる仕組みづくりではなく、社会の不便や非効率を解消し、人々の暮らしを根本からアップデートするような、価値ある仕事だと実感しています。
マネジャーとして意識していることや感じていることは?
私はアソシエイトからスタートし、コンサルタント、シニアコンサルタントを経てマネジャーにクラスアップしました。マネジャーとして最も意識しているのは「ゴールを明確に示すこと」です。プロジェクト全体のマイルストーンだけでなく、その時々で何を明らかにすべきか・何をクライアントに伝えるべきか、も明確にすることで、メンバーが自走できる状態をつくるよう努めています。また、プロジェクトを推進する中では環境や前提が変化するケースもよくありますが、その背景を共有しながら方向性を再設計し、ブレのない推進を心がけています。クライアントとの対話を重ね、課題の解像度を高めていく過程もマネジャーの仕事の面白さです。
経験を先取りできる環境。負荷を筋肉に換えて、成長を目指す。
ICCの成長環境や評価の仕組みについてどう感じていますか?
ICCは少数精鋭の組織で、1人あたりの期待値や貢献度が非常に高いといえます。決して楽な環境ではありませんが、自らの意志で行動したことが全て自分の筋肉になる感覚があります。だからこそ成長スピードは格段に早まりますし、その意味で、負荷もポジティブに感じられますね。いわば、若いうちから様々な経験を先取りできるフィールドだと思っています。
コンサル未経験で入社した私が、今こうしてマネジャーとして活躍できているのは、制度と文化が成長を後押ししてくれたからです。メンター制度や勉強会、Globis学び放題など、成長を支援する仕組みも整っており、年功序列ではなく、成果と姿勢で定性的に評価される点も大きな魅力です。
ICCのメンバーにはどんな人が多いと感じますか?
業種は様々ながら大企業や金融機関出身のメンバーが多いので、落ち着いた雰囲気の人が多いのですが、そこにプラスして、チャレンジ志向の発想や視点を持つ人が多い印象です。ICCを選ぶ時点で、現状に満足せず挑戦を選ぶ志向があると言えるので当然かもしれません。未来を具体的に描いて動いている人が多く、年齢や立場に関係なく刺激を受けることが多いです。多様な視点が混ざり合い、思考が深化していく環境が心地よいと感じます。
これからICCでどんなキャリアを実現したいですか?
一人のコンサルタントとしてより大きな成長を目指すことは言うまでもなく、今後はICCという組織そのものの成長に貢献できる存在になりたいと考えています。マネジャー以上のクラスのメンバーは採用や研修などの社内活動に携わっており、私も現在は研修制度の設計に取り組んでいます。個々の成長を支援する仕組みづくりは、プロジェクトと並行して私が目指す大きなミッション。クライアントの「あるべき姿」だけでなく、自分たちの「あるべき姿」を実現していくこともできます。将来的にはより多様な案件に携わることで視野を広げつつ、組織全体の価値を高めていける存在になりたいです。